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人と自然、アートが交差する。金津創作の森

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野外作品

「陶彫 ―森の鳥―」 /金 九漢
アートドキュメント1999(1999年)
「陶彫 ―森の鳥―」
陶、鉄、コンクリート/H570cm
金 九漢
「鳥居」の意味合いを持つ存在として、この森の入口に建つ作品。韓国出身の作者は、日本に「鳥居 (鳥の居場所)」として伝わったとされる、韓国の「ソッテ」をこの地に建てた。昔から「ソッテ」は聖なる場所の入口に建てられ、そのてっぺんには天と大地とを繋ぐ使者として「鳥」がいる。表面には長寿を祈る「十長生図」などが象嵌技法で表されている。
「風車」 /平川 滋子
アートドキュメント2011(2011年)
「風車」
コンクリート、鉄、車輪/H950×W260cm
平川 滋子
水・空気・太陽エネルギー・植物など地球環境の重要な要素を制作コンセプトとしたインスタレーション。この作品は、光合成を促進するエネルギーである太陽光の光子(こうし)が、目には見えないナノワールドで飛び交うかたちを、線的な鉄のストラクチャーに取り付けた15個の車輪で表現した。
「Trieb-水体Ⅰ」 /遠藤 利克
アートドキュメント2000(2000年)
「Trieb-水体Ⅰ」
鉄、水/H246.5×W366.5×D245cm
遠藤 利克
一見単なる鉄の立方体であるが、実はその中に並々と水を湛えた作品。作家は生命の源である水を、見える総体的な形で地球へと返還したいという欲望を表現した。「Trieb(トリープ)」とは、哲学的な言葉で「欲動」という意味。錆びた鉄の立方体の奥に在る「水」を想いながら、存在としての水の塊を想像してみてほしい。
「牀座」 /藤田 昭子
アートドキュメント2002(2002年)
「牀座」
陶土/H62×W480×D280cm
藤田 昭子
陶土で造形した、複雑な迷路を持つ遺跡のような、あるいはいくつも穴が開いたサンゴ状の彫刻。表面の多層構造は、何かの命が宿っていたような痕跡とも思え、植物や生物の集合体のようにも見える。この土の造形は、現地で野焼きすることで完成し、炎に包まれ焼き締められることで、人々が住まう遺跡や生物の痕跡が漂う骨格として生まれ変わる。
「隠されたピラミッド」 /土屋 公雄
アートドキュメント2005(2005年)
「隠されたピラミッド」
コンクリート、木、鉄/H600×一辺約2,000cm
土屋 公雄
建築物の廃材を用いることで、経てきた時間の痕跡を見せている。見えない地下へと埋め立てられる廃棄物への警鐘として、地中から続く多量の瓦礫の一角を、ピラミッドに見立て作品化している。見る者に、自然と人間の関係性、時代や環境について問いを投げかけてくる。
「森のアンリの小屋」 /眞壁 陸二
森からはじまる物語(2015年)
「森のアンリの小屋」
板に合成塗料/H330×W300×D300cm
眞壁 陸二
森の樹々が、緑色の反対色である赤系で、木地や白をバックに描き出されることで、視覚的に目に飛び込んでくる。タテ型に細長く切り取られた樹々のシルエットは、風景の断片として平面に置き換えられ、それは分断されながらも美的なリズムを奏でている。
※解説動画をご覧ください。
「Rover-01-2」 /海崎 三郎
アートドキュメント2001(2001年)
「Rover-01-2」
鉄/H190×W151×D152cm
海崎 三郎
鉄板に溶断の道具である火口をあて、溶かして彫る―作家の言葉を借りれば「鉄から鉄を切り出す」作業を反復し、素材に自らの行為を刻むように作品を制作している。鉄が持つ、堅さ、重量感、無機質性といったイメージは、作家の身体を媒介にして取り払われ、対極にある繊細でやわらかな表情を四角く囲われた内面に見出すことができる。
「玉鋼―Ⅲ」 /青木 野枝
アートドキュメント2002(2002年)
「玉鋼―Ⅲ」
コールテン鋼/H310×φ307cm、H240×φ220cm 
青木 野枝
重力から解放された青木野枝の軽やかな彫刻は、円形にくり抜かれた鉄板が空洞化することによって、視覚的に遮ることなく、周りの風景と美しく解け込んでいる。
※解説動画をご覧ください。
「森のために」 /河口 龍夫
アートドキュメント2017(2017年)
「森のために」
木(巣箱)、硫化カドミウム/9.0×13.8×12.0cm(26点)
河口 龍夫
作品に使われているカドミウムイエローは、命を育む太陽光の色と、硫化カドミウムの毒性から連想される警戒色という、相反する意味が込められている。命を育むはずの巣箱が危機に陥っているとも取れる作家のメッセージが作品に込められている。
※解説動画をご覧ください。(No.13「関係―鉛の巣箱」と同時解説)
「関係―鉛の巣箱」 /河口 龍夫
アートドキュメント2017(2017年)
「関係―鉛の巣箱」
木(巣箱)、鉛/9.0×13.8×12.0cm(18点)
河口 龍夫
18個の鳥の巣箱が放射能を通さない鉛の板に包まれている。命を育む小さな箱を守るため、鉛色に覆われた巣箱は、まるで近未来の核シェルターのようでもある。
※解説動画をご覧ください。(No.12「森のために」と同時解説)
「雷神」 /戸谷 成雄
アートドキュメント2000(2000年)
「雷神」
木、灰、アクリル/約H1,300cm
戸谷 成雄
立ち枯れした杉の木を根元から先端までチェンソーで刻んでいる。さらに、削った木片を焼いて灰にし、塗料に混ぜて作品の表面に塗ることで、大地に還元し、埋葬するかのような意味合いを含んでいる。
※解説動画をご覧ください。
「ジャッキーと太郎」 /占部 史人
アートドキュメント2021(2021年)
「ジャッキーと太郎」
宮谷石・石彫/H41.5×W24.5×D30.0cm
占部 史人
訪れた人々を出迎える2体の狛犬は、あわら市の波松海岸にある白髯神社で見た愛らしい狛犬を気に入った占部史人氏が、美術館近くに石切場がある「宮谷石」を使って、2021年の現地制作中に彫られた作品です。命名は、作家が子供の頃飼っていた「太郎」という犬の名前と、よくケンカをしていた近所の猫「ジャッキー」から名付けられました。狛犬は「あ・うん」で口の開きが左右違いますが、口が開いている方が「ジャッキー」で、口を閉じ角がある方が「太郎」。
「Land-E-Scape」 /井口 雄介
アートドキュメント2023(2023年)
「Land-E-Scape」
鉄/H600×W1200×D1200cm
井口 雄介
池の中央に立つアーチ状の構造体は、水面の反射により無風の時のみ、円環が宙に浮いているように見える。ある条件が整った時のみ、風景の中に宙に浮いたような円環で囲われた空間が出現することで、より池の性質であったり、周りの木々であったりの風景と、その瞬間を意識させる作品となる。風景(LANDSCAPE)をつくる作品であると同時に、作品そのものが宙に浮いて、地面から離れ独立した形となる(ESCAPE)ことから、LAND-E-SCAPE とした。
photo © Kugahiro Kawamoto
「FRAMe SCAPE」  /井口 雄介
アートドキュメント2023(2023年)
「FRAMe SCAPE」
鉄/H1,300×W2,400xD600cm
井口 雄介
蜘蛛の巣が近くにあった時、気づいた瞬間に自然空間の中に突然現れた幾何形体に驚くと同時にそこの場所だけで作られる形であると気づかされる。自然の中に様々な大きさの直方体で構成された本作品は、遠くから見ると空間に乱雑に線を引いただけのようにも見えるが、その場所でしか成立しないフレームによって区切られた立体的な空間があると気づかされる。
「カマノカタチ」 /淺井 裕介
淺井裕介展 星屑の子どもたち(2024年)
「カマノカタチ」(部分)
陶土、土、釉薬、瓦欠片、サウンド/旧瓦工場跡(瓦窯)室内
淺井 裕介
協力:安土早紀子
「森のゆび 1」 /淺井 裕介
淺井裕介展 星屑の子どもたち(2024年)
「森のゆび 1」
陶土、釉薬/H22.5×W11×D10cm(左)12×11×6(右)
淺井 裕介
「森のゆび 2」 /淺井 裕介
淺井裕介展 星屑の子どもたち(2024年)
「森のゆび 2」(部分)
陶土、釉薬/H20×W15×D5.5cm
淺井 裕介
撮影:田口まき
「森のゆび 3」 /淺井 裕介
淺井裕介展 星屑の子どもたち(2024年)
「森のゆび 3」
陶土、釉薬/H24×W9×D15cm
淺井 裕介
 「マスキングプラント・野生の水脈」 /淺井 裕介
淺井裕介展 星屑の子どもたち(2024年)
 「マスキングプラント・野生の水脈」
マスキングテープ、油性マジック/H700×W390cm
淺井 裕介

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