生活に身近なダンボールが、木彫りのような粘土のような不思議な質感の生き物に生まれ変わる面白さに魅了され、制作を続けてきた造形作家 玉田多紀。玉田氏は使用済みのダンボールをパルプにまで還元するなどダンボールを硬軟自在に変化させ、独自の技法で立体作品へと昇華させます。また、近年絶滅危惧種を作品化するなど現代社会を象徴する問題を生き物の視点で捉え、その思考をユニークに表現します。本展では、恐竜からシードラゴンなど陸上から海中まで、作家の手によって新たな命が吹き込まれた躍動感あふれる生き物たちをお楽しみいただけるとともに、ダンボールの多彩な可能性もぜひご体感ください。
2020年初夏、企画展の2年延期が決まった。どこにも行けない閉塞感、同じ明日が来る恐怖を吹き飛ばすように息子と遊び倒していた毎日、締切に追われない生活は楽なようで後ろめたい言い訳めいた日々だった。私の原動力はフラストレーションだ。抑圧された時にのみ発動される制作欲によって生き延びているのだ。ダンボールに素材を定め14年、瞬間湯沸かし器のように火がついて制作した作品は数百点。混沌とした2020年からの新作も加えこの展覧会では65点の作品で構成しました。生活と感情と切り離させなかった作品たちはまさに一人の人間の生き様です。どうぞお楽しみください。
1983年兵庫県生まれ 2007年多摩美術大学造形表現学部造形学科卒業。古紙ダンボールのみを使用し、生き物の造形美や性質をユニークに捉えた立体作品を制作。国内外の展覧会、ウインドウディスプレイ、TVメディアやワークショップでも精力的に活動。ダンボールの強度と柔軟性を生かした独自の技法を美術教育の現場でも広めている。
2007年 トーキョーワンダーウォール公募入選
2010年 YOKOHAMA創造界隈ZAIMコンペ受賞
2010年 世田谷区芸術アワード“飛翔”生活デザイン部門受賞
2016年 文化庁芸術家派遣事業 おかざき世界こども美術博物館作品収蔵
玉田多紀による作品解説
ダンボールをびりびり、ぐにゃぐにゃ、作品を手で作ります!
事前予約制(先着順)
TEL : 0776-73-7800
申込受付開始 6月15日(水)~